アルバイト店員の不適切投稿について考えたこと

くら寿司のバイト店員の不適切投稿について「バイトテロ」という言葉が使われていますが、企業にとってはテロ並の損害が生じる場合があるのでテロと言いたいのかも知れないけど、バイトの側からすれば決してテロつまり企業に損害を加えるつもりではないと思いますので、その意味で、ミスリードに繋がる言葉だと考えます。

不適切動画投稿行為(バイトテロという言い方を避けてこのように言います。)の原因を彼らがアルバイトであるからとか時給が安いからとか監督者がいなかったことに求める意見が多いのですが、違うように思います。

たしかにあの現場に監督者がいれば彼らはああいうことをしなかっただろうとは言えます。 しかし、監督者が四六時中監督している職場ばかりではありません。経営的にも物理的にもそれは困難だでしょう。 現に、バイトやパートだけで業務している職場は多いし、そういう状況で働いているバイトらは極めて多いはずです。

ですから、そういう現実を無視した原因論や対策論は机上の空論だと思います。わかりやすい例として、 年賀状配達のバイトが配達が面倒だとして多数の年賀状を投棄するという事件がありましたが、配達中の配達員を上司が監督することはできません。

店舗内のバイトの場合は監視カメラを設置するという方法もありおますが、それでこの種の不祥事が防げるかについてはかなり疑問があります。 それは、彼らが自分たちのやっていることをそれほど重大なこととは考えていない疑いが濃厚だからです。バレたとしてもおふざけ程度の叱責を受けるくらいだとしか思っていない節があります。

不適切投稿行為の原因としてバイトの時給が安いことを指摘する声は多いです。 しかし、高級ホテルのレストランの従業員が客の情報をもらしたこういう例があります。 このアルバイト店員の時給が平均より安かったとは思えないし、採用のときにその性格や能力を相当吟味されていたはずです。

そもそも彼らは時給が安いことから不適切投稿をするのではないと思われます。

回転寿司やコンビニのバイトは時給が安いので程度の低い人間しか集まらない、というツイートを見ましたが、これはあまりにも回転寿司やコンビニのバイトを侮辱した話ではないでしょうか?

店内における悪ふざけは昔からあったのでありそれがSNSで可視化されただけ、という指摘がありました。 しかし、店内の内輪だけの悪ふざけと、それを動画に記録してSNSにアップすることは決定的に違います。 SNS以前と以後は別物と考えるべきでしょう。

たぶん、彼らは周りが見えていないのだと思います。彼らは、興味深い情報、仲間受けする動画を自分たちと同じ感覚の仲間に伝えて、自分のことを面白いやつと評価されたかっただけだと思うのですが、SNSでそれをやると、大勢の人が行き交う広場で拡声器を使って話し合っているようなものであるのに彼らはそれが分からない。

不適切投稿をする彼らは、二重の意味で常識がないと感じます。

まず、社会常識がない。ホテルの従業員が客の情報を知人に漏らす。回転寿司の従業員が食材をゴミ箱に捨ててそれをまな板に戻す。誰が考えても、たとえおふざけであったとしても絶対やってはいけないことだとわかるはずなのに、それをやる。

次に、ネットの常識がない。一旦ネットにアップされた情報は、二度と消せないし自分の意図とは無関係に急速かつ広範に拡散する、という常識がない。

そして、さらに問題なのは、彼らを指導すべき立場にある人たちの中に、ネットの常識を実感している人が少ない可能性があるということです。それでは身につくべき常識も身につかない。

さらに厄介なことに、彼らは常識がないだけでなく、自分の行為から必然的に予想される結果についての想像力がない。

  不適切投稿→他人の迷惑や損害→解雇にとどまらない民事や刑事の責任→子々孫々にわたってネットに残る愚か者の烙印

ということが想像できない。

常識というのは、小さい頃から長い年月をかけて身に付くものなので、バイトとして採用されたときに非常識または無常識の人間に「常識を身につけさせる」ことは難しいと思います。

そこで、常識ではなく「ルール」が必要になります。 例えば、職場のことは他言しない、勤務時間中はスマホを持たないなどです。

次に企業防衛の観点で重要なのが、従業員にルールを守らせるということです。 しかし、ルール違反の結果について想像力のない彼らのルールを守らせるためには、まずルール違反がおふざけ程度の軽いものではなく、文句なしの犯罪行為(業務妨害罪または信用毀損罪)であることを教える必要があります。

さらに、ルールに違反して不適切投稿を行い、会社に損害が生じたときはその損害を賠償する義務が生じることを教える必要があります。 ちなみに、犯罪を構成するとなると、民事的にも損害賠償義務は破産によっても免責されない、つまり、仮に自己破産しても一生債務を免れないと考えるべきです。

そして、以上の説明が単なる脅しではなく、不適切投稿をした人間に現実に降りかかってくるということを知らしめるために、想像力のない人間に未来の話をしても無駄ですから、過去に実際に生じた事実として教える必要があります。 その意味で、今回のくら寿司の対応を支持します。

この記事は、ツイッターで連続投稿したものをまとめて文体を整えたものです。言葉足らずの点が多々ありますが、アップすることにします。